薬物動態
血中濃度
初回投与時の血中濃度
2~16歳のALL又はLBL患者23例に本剤25,000U/m2を初回投与した時の血漿L-アスパラギナーゼ活性値の推移及び薬物動態パラメータは以下の通りであった。
初回投与時の血漿L-アスパラギナーゼ活性値の推移(薬物動態解析対象集団)

初回投与時の薬物動態パラメータ
n | Cmax (U/mL) |
tmax*1 (hr) |
AUCinf (U・hr/mL) |
t1/2 (hr) |
CL/F (mL/hr/m2) |
Vss/F (mL/m2) |
23 | 3.10 ± 1.47 | 8.00 (3.90,23.6) |
91.8 ± 33.8 | 16.9 ± 7.47 | 329 ± 176 | 8,935 ± 5,294 |
平均値±標準偏差 *1 中央値(範囲)
血漿L-アスパラギナーゼ活性値推移のシミュレーション(薬物動態解析対象集団)

反復投与
2~16歳のALL又はLBL患者23例に本剤25,000U/m2を反復(週3回)投与した時の血漿L-アスパラギナーゼ活性値(平均値)は、1回目投与48時間後、72時間後、3回目投与48時間後、5回目投与48時間後、6回目投与72時間後に測定した。
なお、本剤6回目投与72時間後と本剤1回目投与72時間後との差(平均値)は、-0.0345U/mLであり、蓄積性はみられなかった。
血漿L-アスパラギナーゼ活性値の平均値、最小値及び最大値
評価時期(投与1回目からの経過時間) | 血漿L-アスパラギナーゼ活性値(U/mL) | |||
平均値±標準偏差 | 最小値 | 最大値 | ||
1回目 | 投与開始前 (0hr) |
0.0000 ± 0.0000 | 0.000 | 0.000 |
投与48時間後 (48hr) |
0.5989 ± 0.2645 | 0.134 | 1.157 | |
投与72時間後 (72hr) |
0.1923 ± 0.1426 | 0.033 | 0.678 | |
3回目 | 投与48時間後 (168hr) |
0.5263 ± 0.2790 | 0.076 | 1.097 |
5回目 | 投与48時間後 (264hr) |
0.4561 ± 0.2300 | 0.071 | 1.122 |
6回目 | 投与72時間後 (336hr) |
0.1578 ± 0.0785 | 0.032 | 0.342 |
投与1週間後 (432hr) |
0.0022 ± 0.0077 | 0.000 | 0.033 |
n=23
●血漿アスパラギン濃度の推移
初回投与時から6回目投与1週間後までの血漿アスパラギン濃度(平均値±標準偏差)の推移は以下の通りであった。
血漿アスパラギン濃度の推移(薬物動態解析対象集団)

*2 PSL40mg/m2/日をDay1~15に1日3回経口投与、VCR1回1.5mg/m2をDay1、8及び15に静脈内投与、並びにTHP-ADR1回20mg/m2をDay1及び8に静脈内投与
注:試験概要の詳細は「臨床成績」をご参照ください。
年齢区分別の血漿L-アスパラギナーゼ活性値及び血漿アスパラギン濃度
年齢区分(12歳未満及び12歳以上)で層別した血漿L-アスパラギナーゼ活性値(平均値)及び血漿アスパラギン濃度(平均値)の推移は以下の通りであった。
年齢区分別の血漿L-アスパラギナーゼ活性値及び血漿アスパラギン濃度の推移(薬物動態解析対象集団)

母集団薬物動態解析
血漿L-アスパラギナーゼ活性値の母集団薬物動態解析を行い、各薬物動態パラメータに対する性別、年齢(連続量及び12歳以上/未満で場合分け)、体表面積及び身長の各要因の影響を検討し非線形混合効果モデル解析による血漿L-アスパラギナーゼ活性値の薬物動態関連パラメータ(Clearance/F、Distribution volume/F、Ka 等)の算出と薬物動態・薬物動力学関連パラメータに関する共変量を探索した。
その結果、性別、年齢(連続量)、体表面積及び身長に有意差はなかったが、年齢(12歳以上/未満で場合分け)がクリアランスに影響を与えるモデルが有意であり(p=0.0038)、最終モデルとして選択され、年齢が12歳以上の患者は12歳未満の患者と比べてクリアランスが1.497倍になることが示された。
承認時評価資料:国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(OP-01-001試験)