臨床成績

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海外第Ⅲ相試験(AALL07P2試験)(評価資料)
(多施設共同、非盲検、非対照試験、2009-2010年)
承認時評価資料:海外臨床試験(AALL07P2試験)

目 的
ペグアスパラギナーゼ投与に対して過敏症のある小児のALL患者にアーウィナーゼ®(エルウィニアL-アスパラギナーゼ)(以下、本剤)を投与し、投与48時間後の血清L-アスパラギナーゼ活性のトラフ値が0.1U/mL以上である患者数及び割合を評価するとともに、治験薬関連の有害事象*の発現頻度、ペグアスパラギナーゼに対して過敏症のある小児ALL患者における本剤の薬物動態の特性を明らかにする。 本剤の初回投与日以降に発現した有害事象
対 象
ペグアスパラギナーゼ投与に対して過敏症のある小児ALL患者
・安全性解析対象集団(治療例):本剤を少なくとも1回投与されたすべての患者、58例
・薬物動態解析対象集団:投与48時間後の血清L-アスパラギナーゼ活性のトラフ値のデータがある患者、48例
・評価可能集団:薬物動態/薬力学測定が評価可能であった患者、53例
・適格集団:試験実施計画書に定めた選択基準を満たし、除外基準に抵触していない患者、57例
方 法
本試験参加前でのペグアスパラギナーゼの切り替えとして、本剤25,000U/m2を週3回、計6回筋肉内投与することとした。その他の化学療法はすべて当初の治療計画に従って継続した。

<投与スケジュール>

投与開始日の曜日 Day
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
月 / 水 / 金
コホート
(月)
1回目
(水)
2回目
(金)
3回目
(月)
4回目
(水)
5回目
(金)
6回目
水 / 金 / 月
コホート
(水)
1回目
(金)
2回目
(月)
3回目
(水)
4回目
(金)
5回目
(月)
6回目
金 / 月 / 水
コホート
(金)
1回目
(月)
2回目
(水)
3回目
(金)
4回目
(月)
5回目
(水)
6回目

<試験デザイン>

2段階デザインを用い第1段階では31例の患者を組み入れ、本剤投与48時間後における血清L-アスパラギナーゼ活性のトラフ値が0.1U/mL以上の患者が15例以下であった場合は、効果不十分として試験を中止することとし、それ以外の場合は第2段階に進むこととした。第2段階では、さらに19例を追加した50例で評価し、血清L-アスパラギナーゼ活性のトラフ値が0.1U/mL以上の患者が29例以下であった場合は、血清L-アスパラギナーゼ活性のトラフ値が0.1U/mL以上の患者は70%未満であると結論することとした。

画像:試験デザイン

(主な選択基準)
・1歳超30歳以下の男女
・Frontline COG(Children's Oncology Group)ALL試験に、実施医療機関で組み入れられた患者
・ペグアスパラギナーゼに対して、Grade2以上の過敏症を示した患者
・先行する試験でのL-アスパラギナーゼの投与が、1コース以上残っていた患者
(主な除外基準)
・以前に本剤の投与を受けたことのある患者
・Grade2以上の膵炎の既往歴のある患者

評価項目
有効性:
本試験では有効性を評価しなかった。
安全性:
有害事象、12誘導心電図(QTc間隔)、体重、身長及び既往歴により安全性を評価した。
また、以下の血液学的検査、血液凝固系検査及び血液生化学検査のパラメータを評価した。
1) 血液学的検査:全血球計算値、白血球分画、血小板数 2) 血液凝固系検査:プロトロンビン時間、部分トロンボプラスチン時間、フィブリノゲン、プロテインC、プロテインS、アンチトロンビンⅢ、D-ダイマー、フィブリン分解産物 3) 血液生化学検査:ALT、AST、ビリルビン、BUN、クレアチニン、コレステロール、トリグリセリド、アミラーゼ、リパーゼ
薬物動態:
血清L-アスパラギナーゼ活性値を評価した。1コース目では12時点、それ以降のコースでは3時点で血液検体を採取した。本剤の投与開始日が月曜日、水曜日、金曜日のいずれかによって、測定時点はわずかに異なった。
薬力学:
血漿アスパラギン濃度
抗体評価:
抗クリサンタスパーゼ抗体及び中和抗体の産生を確認するために血液検体を採取した。1コース目では、コース開始前、Day8、Day22に血液検体を採取した。それ以降のコースでは、コース開始前、6回目の投与前、Day15に検体を採取した。
解析計画
薬物動態解析対象集団は適格集団及び評価可能集団に含まれる患者とし、投与48時間後の血清L-アスパラギナーゼ活性のトラフ値が0.1U/mL以上であるかを検討した。
安全性は安全性解析対象集団を対象とし、本剤の初回投与日以降に発現した有害事象の発現例数及び割合を因果関係別に集計した。さらに、心電図のQTc間隔の実測値が500msec以上及び/又はベースラインからの変化量が60msec以上の患者について集計するとともに、臨床検査のパラメータについて記述統計量を用いて要約した。

患者背景

海外第Ⅲ相試験(AALL07P2試験)の患者背景は以下の通りであった。

例数(%)

項目 n=58
年齢(歳)
 平均値±標準偏差 10.0 ± 5.2
 中央値 11.0
 最小値, 最大値 2, 18
性別
 男性 34 ( 58.6)
 女性 24 ( 41.4)
身長(cm)
 平均値±標準偏差 139.56 ± 29.60
 中央値 141.45
 最小値, 最大値 87, 186.2
体重(kg)
 平均値±標準偏差 44.4 ± 29.68
 中央値 34.2
 最小値, 最大値 12.2, 115.2
BMI(kg/m2
 平均値±標準偏差 20.15 ± 6.39
 中央値 17.99
 最小値, 最大値 11.94, 36.97
項目 n=58
人種
 白人 45 (77.6)
 黒人又はアフリカ系アメリカ人 6 (10.3)
 アジア人 / 太平洋諸島住民 1 ( 1.7)
 アジア系インド人、パキスタン人 1 ( 1.7)
 ベトナム人 1 ( 1.7)
 その他 3 ( 5.2)
 不明 1 ( 1.7)
民族
 ヒスパニック系又はラテン系 20 (34.5)
 ヒスパニック / ラテン系以外 38 (65.5)
原疾患
 前駆 B 細胞性 ALL 44 (75.9)
 T 細胞性 ALL 7 (12.1)
 ALL 4 ( 6.9)
 その他 3 ( 5.2)
罹病期間
 0 ~ 3 ヵ月 26 (44.8)
 4 ~ 6 ヵ月 29 (50.0)
 7 ~ 9 ヵ月 3 ( 5.2)

安全性

有害事象【安全性解析対象集団】

有害事象は、37.9%(22/58例)に発現した。10%以上に発現した有害事象は過敏症で13.8%(8/58例)、高血糖で12.1%(7/58例)、高ビリルビン血症及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加で10.3%(6/58例)であった。

例数(%)

器官別大分類
基本語
n=58
発現件数 113
発現例数 22 (37.9)
血液およびリンパ系障害
好中球減少症 5 ( 8.6)
発熱性好中球減少症 4 ( 6.9)
血小板障害 1 ( 1.7)
白血球障害 1 ( 1.7)
免疫系障害
過敏症 8 (13.8)
代謝および栄養障害
高血糖 7 (12.1)
低アルブミン血症 2 ( 3.4)
臨床検査
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 6 (10.3)
アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 5 ( 8.6)
好中球数異常 1 ( 1.7)
リパーゼ増加 1 ( 1.7)
肝胆道系障害
高ビリルビン血症 6 (10.3)
感染症および寄生虫症
敗血症 3 ( 5.2)
感染 1 ( 1.7)
皮膚感染 1 ( 1.7)
上気道感染 1 ( 1.7)
胃腸障害
嘔吐 3 ( 5.2)
器官別大分類
基本語
n=58
悪心 2 (3.4)
膵炎 1 (1.7)
腹痛 1 (1.7)
一般・全身障害および投与部位の状態
疲労 2 (3.4)
発熱 2 (3.4)
神経系障害
運動失調 1 (1.7)
失神 1 (1.7)
脳症 1 (1.7)
頭痛 1 (1.7)
会話障害 1 (1.7)
精神障害
不安 1 (1.7)
錯乱状態 1 (1.7)
うつ病 1 (1.7)
気分変化 1 (1.7)
皮膚および皮下組織障害
皮膚炎 1 (1.7)
蕁麻疹 1 (1.7)
呼吸器、胸郭および縦隔障害
低酸素症 1 (1.7)
咳嗽 1 (1.7)
上気道咳症候群 1 (1.7)
血管障害
静脈閉塞性疾患 1 (1.7)

MedDRA version 14.0

注1:同一患者において同一の基本語の有害事象が複数回発現した場合は、各分類で1例として取り扱った。 注2:( )内は安全性解析対象集団である58例に対する割合を算出した。

本剤との因果関係がある有害事象【安全性解析対象集団】

有害事象のうち、本剤との因果関係が「ありそうな(Possible)」、「たぶん、十中八九は(Probable)」又は「明確(Definite)」と判断された事象を、本剤との因果関係がある有害事象とした。
本剤との因果関係がある有害事象は34.5%(20/58例)に発現した。器官別大分類別で最も発現頻度の高かった本剤との因果関係がある有害事象は「代謝および栄養障害」で13.8%(8/58例)であり、次いで「免疫系障害」、「臨床検査」及び「血液およびリンパ系障害」で12.1%(7/58例)であった。

例数(%)

器官別大分類
基本語
n=58
Possible Probable Definite 合計
発現件数 74 17 2 93
発現例数 15 (25.9) 7 (12.1) 2 (3.4) 20 (34.5)
免疫系障害 1 ( 1.7) 4 ( 6.9) 2 (3.4) 7 (12.1)
過敏症 1 ( 1.7) 4 ( 6.9) 2 (3.4) 7 (12.1)
感染症および寄生虫症 4 ( 6.9) 0 0 4 ( 6.9)
敗血症 2 ( 3.4) 0 0 2 ( 3.4)
感染 1 ( 1.7) 0 0 1 ( 1.7)
皮膚感染 1 ( 1.7) 0 0 1 ( 1.7)
代謝および栄養障害 6 (10.3) 2 ( 3.4) 0 8 (13.8)
高血糖 5 ( 8.6) 2 ( 3.4) 0 7 (12.1)
低アルブミン血症 1 ( 1.7) 1 ( 1.7) 0 2 ( 3.4)
胃腸障害 3 ( 5.2) 1 ( 1.7) 0 3 ( 5.2)
嘔吐 2 ( 3.4) 1 ( 1.7) 0 2 ( 3.4)
悪心 1 ( 1.7) 1 ( 1.7) 0 1 ( 1.7)
膵炎 1 ( 1.7) 0 0 1 ( 1.7)
臨床検査 7 (12.1) 0 0 7 (12.1)
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 6 (10.3) 0 0 6 (10.3)
アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 5 ( 8.6) 0 0 5 ( 8.6)
リパーゼ増加 1 ( 1.7) 0 0 1 ( 1.7)
好中球数異常 1 ( 1.7) 0 0 1 ( 1.7)
精神障害 1 ( 1.7) 0 0 1 ( 1.7)
気分変化 1 ( 1.7) 0 0 1 ( 1.7)
血液およびリンパ系障害 7 (12.1) 0 0 7 (12.1)
好中球減少症 3 ( 5.2) 0 0 3 ( 5.2)
発熱性好中球減少症 3 ( 5.2) 0 0 3 ( 5.2)
血小板障害 1 ( 1.7) 0 0 1 ( 1.7)
白血球障害 1 ( 1.7) 0 0 1 ( 1.7)
一般・全身障害および投与部位の状態 2 ( 3.4) 2 ( 3.4) 0 3 ( 5.2)
発熱 1 ( 1.7) 1 ( 1.7) 0 2 ( 3.4)
疲労 1 ( 1.7) 1 ( 1.7) 0 1 ( 1.7)
肝胆道系障害 6 (10.3) 0 0 6 (10.3)
高ビリルビン血症 6 (10.3) 0 0 6 (10.3)
神経系障害 2 ( 3.4) 1 ( 1.7) 0 2 ( 3.4)
頭痛 1 ( 1.7) 1 ( 1.7) 0 1 ( 1.7)
失神 1 ( 1.7) 0 0 1 ( 1.7)
皮膚および皮下組織障害 1 ( 1.7) 1 ( 1.7) 0 2 ( 3.4)
皮膚炎 1 ( 1.7) 0 0 1 ( 1.7)
蕁麻疹 0 1 ( 1.7) 0 1 ( 1.7)
血管障害 1 ( 1.7) 0 0 1 ( 1.7)
静脈閉塞性疾患 1 ( 1.7) 0 0 1 ( 1.7)

MedDRA version 14.0

注3:同一患者において同一の器官別大分類又は基本語の有害事象が複数の因果関係で発現した場合は、各分類で1例として取り扱った。 注4:( )内は安全性解析対象集団である58例に対する割合を算出した。

重症度別の有害事象【安全性解析対象集団】

113件の有害事象のうち、Grade3以上の有害事象が29.3%(17/58例)に42件発現した。Grade3以上の有害事象で2例以上の患者に発現した事象は、過敏症、発熱性好中球減少症及び好中球減少症でそれぞれ6.9%(4/58例)、敗血症、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加及びアラニンアミノトランスフェラーゼ増加でそれぞれ5.2%(3/58例)であった。

例数(%)

器官別大分類
基本語
n=58
Grade1 Grade2 Grade3 Grade4 Grade3 以上
発現件数 56 15 30 12 42
発現例数 8(13.8) 11(19.0) 15(25.9) 4(6.9) 17(29.3)
免疫系障害 0 4(6.9) 4(6.9) 0 4(6.9)
過敏症 0 4(6.9) 4(6.9) 0 4(6.9)
感染症および寄生虫症 0 0 5(8.6) 1(1.7) 6(10.3)
敗血症 0 0 2(3.4) 1(1.7) 3(5.2)
感染 0 0 1(1.7) 0 1(1.7)
皮膚感染 0 0 1(1.7) 0 1(1.7)
上気道感染 0 0 1(1.7) 0 1(1.7)
代謝および栄養障害 6(10.3) 3(5.2) 1(1.7) 0 1(1.7)
高血糖 5(8.6) 3(5.2) 1(1.7) 0 1(1.7)
低アルブミン血症 2(3.4) 0 0 0 -
胃腸障害 2(3.4) 2(3.4) 1(1.7) 0 1(1.7)
嘔吐 1(1.7) 2(3.4) 1(1.7) 0 1(1.7)
悪心 1(1.7) 0 1(1.7) 0 1(1.7)
腹痛 0 0 1(1.7) 0 1(1.7)
膵炎 1(1.7) 0 0 0 -
臨床検査 3(5.2) 0 1(1.7) 3(5.2) 4(6.9)
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 3(5.2) 0 1(1.7) 2(3.4) 3(5.2)
アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 2(3.4) 0 1(1.7) 2(3.4) 3(5.2)
リパーゼ増加 1(1.7) 0 0 0 -
好中球数異常 0 0 0 1(1.7) 1(1.7)
精神障害 0 1(1.7) 1(1.7) 1(1.7) 2(3.4)
不安 0 0 0 1(1.7) 1(1.7)
錯乱状態 0 0 1(1.7) 0 1(1.7)
うつ病 0 0 0 1(1.7) 1(1.7)
気分変化 0 1(1.7) 0 0 -
血液およびリンパ系障害 1(1.7) 1(1.7) 7(12.1) 1(1.7) 8(13.8)
発熱性好中球減少症 0 0 4(6.9) 0 4(6.9)
好中球減少症 1(1.7) 1(1.7) 4(6.9) 0 4(6.9)
血小板障害 0 0 0 1(1.7) 1(1.7)
白血球障害 0 0 0 1(1.7) 1(1.7)
一般・全身障害および投与部位の状態 2(3.4) 2(3.4) 0 0 -
疲労 2(3.4) 0 0 0 -
発熱 0 2(3.4) 0 0 -
肝胆道系障害 6(10.3) 1(1.7) 0 0 -
高ビリルビン血症 6(10.3) 1(1.7) 0 0 -
神経系障害 1(1.7) 0 2(3.4) 0 2(3.4)
運動失調 0 0 1(1.7) 0 1(1.7)
脳症 0 0 1(1.7) 0 1(1.7)
頭痛 1(1.7) 0 0 0 -
会話障害 0 0 1(1.7) 0 1(1.7)
失神 0 0 1(1.7) 0 1(1.7)
皮膚および皮下組織障害 1(1.7) 0 1(1.7) 0 1(1.7)
皮膚炎 1(1.7) 0 0 0 -
蕁麻疹 0 0 1(1.7) 0 1(1.7)
呼吸器、胸郭および縦郭障害 1(1.7) 0 1(1.7) 0 1(1.7)
低酸素症 0 0 1(1.7) 0 1(1.7)
咳嗽 1(1.7) 0 0 0 -
上気道咳症候群 1(1.7) 0 0 0 -
血管障害 0 1(1.7) 0 0 -
静脈閉塞性疾患 0 1(1.7) 0 0 -

MedDRA version 14.0/CTCAE version 3.0

注1:同一患者において同一の器官別大分類又は基本語の有害事象が複数の重症度で発現した場合は、各分類で1例として取り扱った。 注2:( )内は安全性解析対象集団である58例に対する割合を算出した。

死亡、重篤な有害事象及び投与中止に至った有害事象【安全性解析対象集団】

本試験で死亡に至った有害事象は認められなかった。
重篤な有害事象は58例中19例の患者に発現した。投与中止に至った有害事象は7例の患者に発現した。

安全性解析対象集団(n=58)
死亡 本試験では報告なし
重篤な有害事象 過敏症 6 例、好中球減少症 5 例、発熱性好中球減少症 4 例、敗血症 3 例、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 3 例、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 3 例、高血糖 3 例、嘔吐 2 例、血小板障害1例、白血球障害1例、感染1例、皮膚感染1例、上気道感染1例、好中球数異常1例、不安1例、錯乱状態1例、うつ病1例、気分変化1例、腹痛1例、悪心1例、運動失調1例、脳症1例、会話障害1例、失神1例、高ビリルビン血症1例、低酸素症1例、蕁麻疹1例、静脈閉塞性疾患1例
投与中止に至った有害事象 過敏症 7 例

MedDRA version 14.0

薬物動態

投与48時間後及び72時間後の血清L-アスパラギナーゼ活性値【薬物動態解析対象集団】

1コース目の3回目投与48時間後及び72時間後で、すべての患者の血清L-アスパラギナーゼ活性のトラフ値は事前に規定した閾値である0.1U/mL以上であった。

測定時点 評価例数 平均値 標準偏差 %変動係数 中央値 最小値 最大値
48 時間 35 0.73 0.40 54.46 0.65 0.24 1.84
72 時間 13 0.38 0.22 57.77 0.28 0.11 0.80
注3:本試験では、当初薬物動態評価のために採取した検体で血清L-アスパラギナーゼ活性値を測定したが、FDAは測定施設の監査の結果、承認申請データとして不適格であると判断した。このため、抗体評価用に採取し保存していた検体を用いて血清L-アスパラギナーゼ活性値を再測定し、その結果がFDAに報告された。本資料では再測定されたデータを用いて評価した。
また、安全性解析対象症例はすべて治療が行われたために別に治療例と記載した。

薬力学

血漿アスパラギン濃度は、採取された検体が適切に処理されていなかったため、評価できなかった。

抗体評価

抗クリサンタスパーゼ抗体が発現する割合【治療例】

検体を採取した56例のうち、スクリーニング検査及び偽陽性を排除するための確認検査の結果、6例(10.7%)が陽性であった。6例中1例は有害事象(アレルギー反応・過敏症、Grade3)が発現し、試験を中止した。
確認検査で陽性であった検体の抗体濃度を測定したが、治療期間を通して、抗体濃度に注目すべき傾向は認められなかった。

中和抗体

確認検査で陽性であった6例のうち、中和抗体が陽性となった患者はいなかった。しかし、確認検査の方法がバリデートされていなかった時期に実施したスクリーニング検査で陽性であった49例の検体を用いた中和抗体検査では3例が陽性であったが、これら3例は確認検査では陰性であった。中和抗体検査で陽性となった原因は不明であった。

効能又は効果 急性白血病(慢性白血病の急性転化例を含む)、悪性リンパ腫
ただし、L-アスパラギナーゼ製剤に過敏症を示した場合に限る。

用法及び用量 他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、1日1回体表面積1m2あたり25,000Uを週3回、筋肉内投与する。

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